決算特別委員会(第4分科会)

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決算特別委員会第4分科会
2006年10月11日(水)~17日(火)
11日(水)、12日(木):建築局審査
 建築局では紛争予防及び街並み形成のために住民による建築協定を進めている。現在40地区(2005年度認可10地区)ある。市が建築協定を進めているにもかかわらず、西区愛宕浜において市が51%出資する博多港開発が建築協定を廃止し、その後にマンション建設が計画され、隣接住民からマンション建設反対の請願が出されている。決算特別委員会総会でも質問があったたが、分科会でも質問がなされた。

 続いて、東区における不法開発の監視と市の是正指導のあり方についての質問がなされた。違法行為に是正について、水路を埋めているため斜面崩壊が起こるなどの被害があるにもかかわらず、現状復帰の指導をせず建築物について建築基準法に違反していないということで追認しようとしているとして、市の対応が厳しく指弾された。市はキチンと対応すると答えた。

 市営住宅の応募についての質問がなされた。市は今後新たな市営住宅の建設はしないとしているが、応募倍率は平均20倍、高齢単身者は38倍、単身者では42倍となっている。また、所得階層も第1階層が増えており、所得が伸びない又は下がっているなかで、公的住宅が求められている。市は政令市の中でも市営住宅の数は中位であり、DV対応など住宅需要の多様化しているのかで、住宅審議会で対応を検討していくとしているが、基本は所得制限を厳しくするということである。抜本的な住宅政策の見直しが必要である。

 私からは、建築紛争についての祖壇上今日を質問した。2003年251件、2004年270件、2005年219件と相談件数は多く、事業者と住民との協議で解決しているのは約4割ということである。紛争防止条例では互助の精神で話し合いで解決するとしているが、実際は住民の立場は弱く、条例の精神を無視して工事協定を結ばないまま工事を強行している例が多々ある。条例自体の実効性が弱く、市の指導がもっとキチンと出来るよう条例の見直しと罰則の強化を求めた。また、先日(10月2日)の請願審査で市が答弁していた道幅が4mあるかないかの狭隘道路に囲まれた土地に対する建築規制についての質問に、来年3月の議会に、道路の幅員に関する規制の条例を提出すると答えている。具体的には川崎市や横浜市は隣接する道路が幅員6m以上、京都市は4m以上の幅員がなければ1000㎡を超えての建築物を許可しないとしており、参考に検討しているということである。
 マンション紛争に係る請願件数は多く、その原因は現実の土地利用と市の用途指定が乖離しており、また住民に対する説明がキチンとなされていないことにある。住民の努力による地区協定だけでは限界があり、土地利用実態にあった用途指定や建築物の高さ規制、緑被率などの補完的な条例が必要であることを要請した。
 また、御供所地区における街なみ環境整備事業として修景施設設備費助成が1棟なされているが、街なみ整備として他のエリア、たとえは櫛田神社周辺の修景など、福岡市の魅了アップと街中観光を進める上で景観整備を進めるべきと要請。土木、都市計画、建築と各局で街なみ環境整備事業がなされているということであるが、一体的に整備されるべきである。景観法は過去の景観の維持だけでなく、将来の景観整備にも活用できる。景観法の活用については建築局は検討していないということであるが、街なみ整備と良好な住環境整備は表裏一体のものであり、総合的の施策を求めた。

 次の高齢者賃貸住宅支援事業について質問した。平成15年度から始まった事業で、高齢者が住宅入居の身元引受人として社会福祉協議会と契約を行い、入居に至れば社会福祉協議会に会費を月500円支払い、死亡時などの事後処理を社会福祉協会が行う事業である。18年9月現在まで累計891件の相談の内累計37件が契約を行いそのうち14件が入居している。相談者の内79件が契約しないで入居しており、入京数は合計93件となっている。高齢者向け優良賃貸住宅86戸を供給しているが、この住宅も足りない上、家賃が5~6万であるたため、3~4万円程度の家賃希望者が多く、市営住宅に入居希望してもなかなかあたらない方の問い合わせが多く、この制度について市としてセーフティネットの役割を果たしていると答えているが、安価で優良な住宅が少ないの実態である。市では高齢者受け入れ民間事業者を18業者、4万1500戸を登録して斡旋しており、233件の実績があるとしている。しかし、高齢者向けの安価な良質の住宅が不足していることは確かであるので、さらに供給を増やすよう求めた。市では高齢者優良賃貸住宅制度について、国の基準が変わり、新築だけでなく改良した住宅や、住宅の整備基準の緩和などなされているので、民間業者に高齢者優良賃貸住宅の供給を強く求めていくとしている。

13日(金):消防局
 まず、他議員から全国的にセルフ式ガソリンスタンドでの給油キャップ閉め忘れの事故が多発しており、対策を求められた。福岡市では事故が起こっていないが、監視カメラを増やすなどスタンドには注意を喚起している。新車ではキャップに鎖を着けるなどの構造的な対策をしており、全国組織として自動車製造メーカーにも対策を求めていくとしている。

 次ぎに救急車の出動回数が増えていることについて、地域による出動回数の偏りへの対策、現在の救急隊25隊を30隊に増やすよう求められた。地域の偏りについては、管轄区を超えて直近主義で配車しており、東消防署の1台を水上所に配置換えするなど救急需要が多い地区に対応するよう配置換えをしており、現在到着時間は04年度で6分8秒、05年度で6分7秒となっているという回答であった。救急隊については現在25隊、退院208名、救急空名刺95名のうち89人を全ての救急隊に配置しているといことである。

 ADE(自動体外式除細動器)の普及状況について質問があり、05年度末で30施設30台程度であったものが、現時点では220施設300台程度の普及しているということである。市の救急車には全て設置されているが、05年度は857回の出動で3回使用し2名を救命したということである。現在福岡市の学校施設では25小中学校に設置されているが、全校への設置と教職員の訓練が求められた。

 私からは、住宅防火対策の推進として、住宅用防災機器の設置推進の取り組み状況について尋ねた。新築については今年6月から義務づけられており、建築確認時に確認が出来るということであるが、既存建築物については08年5月31日までに猶予期間がある。現在の整地状況について尋ねたが、把握していないということである。火災時における人的被害、特に高齢者の死亡をなくすことを目的としており、キチンと進めなければ法律改正は絵に描いた餅になる。そこで、公的住宅からまず進めることを求めた。市営住宅については08年5月末までには全て設置するとしているが、県営住宅や公団住宅については把握していないということであり、キチンと設置を進めるように求めた。また、民間住宅についても、マンション管理組合や不動産関連業界を通じて設置を進めるよう求めた。

 次ぎに小規模雑居ビルなど予防査察業務の状況について尋ねた。予防査察については対称規模に応じて5万件を3年間で査察を行うことになっているが、05年度は査察計画1万4千件に対し1万5千件を実施、実施率107%となっている。雑居ビルなど防火対象物の査察については、対称物件は約400件、そのうち手人・中洲地区に約250件が州庁しており、人命や火災発生の危険が高い物件から査察している。そのうち消火器に未設置など軽微なものを含め約180件の違反があり、自動火災報知器の未設置や屋内消火栓の未設置など重大な違反には警告などの措置を執っているが、テナントが頻繁に入れ替わるところもあり、査察の度に新たな違反も発見されている。引き続き監視を強めるとしている。

 福岡市の消防力の基準について、警棒要員の基準710人、現勢634人、充足率89.3%、救急要員の基準177人、現勢178人、充足率100.6%、予防要員の基準137人、現勢82人、充足率59.9%、その他の要員の基準131人、現勢131人、充足率100%となっている。他の議員から、特に予防要員が少ないことの指摘がなされた。市は財政難を理由に人員削減をしているが、市民の安全を考えれば、予防要員の削減は問題である。

 大村市における小規模グループホームの火災を受けて、福岡市のおける指導状況についての質問がなされた。小規模グループホームは消防法の隙間の対象物であり、大村市の場合は職員が少なかったことから避難を困難にしたということで、国でも対応が検討されており、防火管理者がいなかったことや防災面の強化が指摘されている。今後住宅用スプリンクラーの設置や火災報知器の設置などが検討されている。スプリンクラーの設置は千㎡以上の施設に義務づけられているため、福岡市においては老人福祉施設と併設されているグループホーム5施設にしかスプリンクラーが設置されていない。大村市の事故後特別査察を行ったところ、防炎カーテンのみ仕様など約6割の違反があった。関係各局と連携し、今後の対応を検討するとしている。

16日(月)、17日(火):都市整備局
 まず、JR及び西鉄の駅におけるエレベーターの設置状況について質問がなされた。対象駅は13駅となっており、02年から06年までの5年間で8駅が漢ryぷしており、JR九産大前駅、竹下駅、今宿駅、下山門駅5駅と2万人を超える利用者がある重点整備地区の西鉄大橋駅のエスカレーター設置が残っている。10年までの整備館で協議が整い次第進めるとしている。
 七隈線の利用対策との毛地域交流センターについて質問がなされた。利用者増のために、地下鉄と地域を結ぶワンコインのコミュニテイバスの運行についての検討状況が求められたが、野芥、橋本、副題前などでケーススタディ対象駅として検討していると答えている。実験については西鉄の協力が必要であり、協議を進めると答えている。また、地域交流センターについては、対象と考えていたスーパーが建て替え予定がなく、当面具体的な用地確保の見通しがないということである。出来るだけ早く、周辺に代替え地を探すよう求められた。

次ぎに、宮地岳線と地下鉄の直通化および人工島への乗り入れについて質問がなされた。直通化については設備投資が非常に大きく、事業採算性が課題となっており、西鉄との合意に至っていない。05年度は新たな補助制度が出来たので適用可能性についての検討を含めて調査した。今後は多々良側の橋の架け替えの必要性も含めて全体の事業費の調査を進めながら、新たな事業スキームについて検討していくとしている。人工島との接続についても、04年の人工島事業全体の見直しにより、長期的な視点で検討するとしている。要は、人工島事業そのものの見通しが立たず、需要が見込めず、採算が取れる見込みがないため、事業を進めることが出来ないということである。

 須崎埠頭の再開発についての質問には、オリンピック招致がなくなり白紙に戻った、オリンピック招致による公的補助がなくなるので今後一から検討するとしている。

 渡辺通駅北地区の再開発の現状と中核施設について質問がなされた。再開発地区は2.5㌶あり、渡辺通に面したエリアは高度利用推進地区とし、背後には住宅等を計画している。市が関与する公共施設を市民局で検討されているが決まっていない。街づくりの拠点となるもの導入する必要があると答えている。また、施設整備が七隈線の活性化に繋がるよう意見が出された。

 私は関連して都市景観形成について質問をした。現在九電本社ビルの建て替えが始まろうとしており、福銀本店お立て替えや天神ビルの建て替え、RKB跡地の開発など、天神・渡辺通での再開発事業について、福岡市として中長期視点で都市景観形成を考えているのかが問題である。民間の建築物が建て変わる時期を逃さず、中長期的な福岡市のグランドデザインを描き、民間活力を誘導する必要がある。建築物のデザイン性の向上とオープンスペースと緑地の確保、総合的な交通政策、都市の魅力を高めることが福岡市の活力になる。景観法は過去の景観だけではなく将来の景観形成を行うために活用が出来る。表通りと路地裏、那珂川の川辺、住宅地における緑地の確保と高さ規制、農業地区や漁業地区おける景観形成と産業の育成、景観形成を活用することで都市の魅了アップと住環境の整備、産業振興が出来る。福岡市に中長期の視点での取り組みを求めた。

 緑化フェアの収支について質問がなされた。福岡市は参加目標は100万人で、114万人の参加であったのでせいことしている。00年の栃木県での緑化フェアでは142万人の入場、01年度の金沢市での緑化フェアで派140万人の入場と、他都市の事例から見ると決して多いとは言えない。さらに、無理矢理動員している実態がある。前売り券は67万5千枚、実際に使われたのは55万5千枚ほどで、12万枚は使われていない。これは無理矢理市の関連業者の割り当てした結果である。実態として市関連業者に100枚単位で売られており、買わざるを得なかったという声があることが指摘された。また、市費として30億円投入されており、6億円の黒字も市民の税金である。

 その他、九大六本松移転跡地利用計画検討に、地域の住民を参加させるように求める意見が出された。