第4委員会
2006年9月1日(金)
議案:福岡市住宅供給公社の審査(建築局)
06年度事業計画と05年度事業報告の後、質疑がなされた。
福岡市住宅供給公社の05年度の決算は、分譲事業においてレークヒルズ野多目第3期5・6番館の事業で3億2千万円余の欠損、その他雑損失として2億4千万円余、雑収入2600万円余、計5億4千万円余の欠損となっている。この欠損は住宅分譲事業準備基金を取り崩して穴埋めしている。その結果住宅分譲準備基金は14億3千万円余に減少しており、このような状況が続けば3年は持たない。市の説明では、レークヒルズ野多目以降の分譲事業はなく、次年度で第4期80戸の販売で終了、1億3千万の欠損を民込んでいるということである。
住宅分譲におけるこの間の欠損の理由は、バブル経済が崩壊し販売が進まなかったことと事業の長期化により地価の下落によるもので、損切りをしての販売をしたためである。その他の雑損失も同様に事業の長期化による地価の下落により、販売価格を損切りして起こっているもので、愛宕浜ウェーブコースト6・8館、レークヒルズ野多目、リーフタウン下原および人工島の土地(4561万円)などの欠損である。
他の自治体では住宅供給公社を清算する、又は管理業務に特化している。私は、もはや市が分譲事業を行う社会的理由がなく、分譲事業をやめて他の自治体のように管理業務に特化すべきと質した。しかし、これまでと同じように、良質の住宅供給など公社でなければできない事業があるとして存続を主張した。これは人工島の博多港開発第2工区(現市第5工区)の住宅分譲事業を見ているからである。いかなる理由をつけても、市が商売する理由はない。市民に借金を残すだけである。
賃貸事業では公社建設型賃貸住宅は採算がとれているが、公社借上型特定優良賃貸住宅は1億円の欠損となっており、賃貸住宅事業全体としては6千万円の欠損、地震保険等の雑収入により、経常損益は3885万円余の赤字。この欠損は賃貸住宅管理準備基金の取り崩しで埋めている。公社借上型特定優良賃貸住宅は、民間住宅を20年間で借り上げ、賃貸する事業である。国が公社の借り上げ家賃と貸し出し家賃の差額を補助する仕組みになっているが、傾斜家賃となっているため、年数が経過するに従い住宅が古くなるのに家賃が上がり、入居者が減っている。現在管理戸数751戸のうち121戸が空き家となっている。空き家の分はまるまる公社の欠損になる。公社では、家賃をフラットにする、また新婚向け住宅として安く貸し出すなどの対策を取っている。現在、新たな借り上げ住宅は計画していない。この問題は全国で問題となっており、千葉県では家主に借り上げ料の減額を要求して、場合には訴訟も起こしているという。私は借り上げ料の減額を求めるべきではないかと質したが、福岡市の場合は借り上げ料が近隣との差が5%程度なので、訴訟まではできないと答えた。
市からの受託事業は市営住宅用地の先行取得事業と市営住宅の管理業務がある。市営住宅用地の先行取得で、千代6丁目の3047㎡が処分できずに保有していることが問題となった。ここは平成6年に改良住宅と都市公園用地都市として購入したが、住宅はできたが、都市整備局が公園建設をやめ買い戻していない。現在県警に駐車対策センター用地として貸しており、金利分は賃貸料で賄っているという。市として県警とも協議し、土地処分を早期に検討するという。先行取得したときに債務負担行為として、購入時期を明記すべきという意見が出された。
市営住宅の管理について応募倍率は20.56倍となっている。先日の福島市の視察で、福島市では中心市街地活性化として、中心市街地に民間住宅を借り上げて市営住宅にしていた。福岡市でも建設戸数をこれ以上増やさないということであれば、借り上げの市営住宅を検討するように求めた。福岡市では高齢者向けの借り上げ市営住宅は実施しているが、通常の借り上げ市営住宅はしないとしている。一時的に多額の建設費が発生しなくても、補助金等を勘案すると長期的には高くつくということである。しかし、安価で良質な住宅を多数の市民が求めており、また収入が増えない状況が今後も続くことを考えれば、市内には売れ残りのマンションは多数あり、民間活力を活用することを検討してもいいのではないかと意見を述べた。
2006年10月4日(月)
議案:財団法人福岡市防災協会(消防局所管)、
財団法人博多駅区画整理記念会館の審査(都市整備局所管)
1、福岡市防災協会
募債協会は市からの受託事業として防災センターも管理運営をし、独自事業として防災教育、火災予防広報事業、防火管理者講習、消防設備士試験準備事業、防火対象物点資格取得講習会等の講習事業、防火用品等販売事業、連結送水管等の試験事業などを行っている。
防災センター利用者は昨年福岡県西方沖地震があったこともあり、14万9千人余の来館者があり、開館以来156万人になったということである。他都市の同規模の施設は平均年間10万人程度ということであり、利用状況は高い。また普通救急救命講習ではADEの講習もしている。
講習事業では、東京新宿区歌舞伎町の雑居ビル火災以降、雑居ビルなどが防火点検対象物に指定され点検報告が義務づけられている。昨年の報告状況は728件、対象建築物1460件のうち特定建築物243件を除外し66.5%ということである。この数字は他都市に比べてよいということであるが、点検報告に費用がかかることから依頼が少なく、特に防火対象証点検資格者も増えていない。そのため、講習を受ける人も減少傾向にあるという。
また昨年法律が変わり、新築の住宅は今年6月から、また既存の住宅には09年6月から寝室に火災報知の設置が義務づけられた。消防局の取り組み状況と、防災センターとして販売の取り組みについて質問した。消防局では市政だよりで広報をしており、防災センターでは家電販売店でのキャンペーンなど行ったということである。他都市では高齢者への悪徳業者の売り込みの報告もあるということが指摘された。福岡市では消費者センターや保健福祉局などとの連携、販売手の協力を求めて対応しているということであった。
2、博多駅土地区画整理記念会館
財団法人博多駅土地区画整理記念会館は、土地区画整理事業終了を記念し、余った保有地を地域に還元するということで作られた。福岡市が100%出資の財団法人で、基本財産は保有地と市からの寄付1億1620万円で成り立っている。記念会館と駐車場で構成され、運営費は駐車場の利用料金と基本財産の利息で運営されている。剰余の積み立て等で保有資産は6億円余になっている。
職員は常勤の専務理事と派遣会社社員と臨職の3名である。業務は、図書館、展示場、いこい室の管理運営と駐車場の経営である。専務理事は市OBで給与は月額25万3千円、派遣職員は年額205万7千円ということである。事業は黒字で運営されている。利用状況は、昨年実績で年間293日開館、図書室は利用延べ人数10,065人、図書貸し出し数24,877冊、いこい室は2,967人、主に地域の自治会などが利用している。
3、都市整備局景観室からバスシェルター(広告付きバス停)についての報告
国土交通省から03年1月に通知が出され、広告板付きバス上屋の道路占用が認められこととなり、岡山市、横浜市、名古屋市、神戸市で導入されている。福岡市でも実施するための試行を始めることにした。広告事業者(MCドゥコー社)の負担で西鉄に無償貸与する。事業予定は20年間、市内350ヶ所となっている。日銀前と中央郵便局前の向かい合った場所2ヶ所で試行、3ヶ月後の利用者アンケートを取り、方針を決める。導入になれば福岡市は占用料を徴収できる。
問題は都市景観の向上に役に立つようなデザイン性が高いものであること、また管理をキチンとすることが出来るかにある。市は「デザイン審査会を」設置し、事前審査したものしか許可しない、またシェルターの管理については広告事業者がバイクで常時見回りを行い、管理を徹底するということであった。