第4委員会
2006年7月10日(月)
議題:都市整備局・農林水産局・土木局所管 財団法人福岡市森と緑のまちづくり協会に
ついての審査
財団法人福岡市森と緑のまちづくり協会(以後協会と表記)の審査であった。協会設立は昭和60年3月26日、基本財産3500万円、100%福岡市出資の外郭団体である。設立目的は都市緑化の推進、公園等都市施設の整備・管理、森林資源の保護育成、これらの事業に関する啓発活動などである。事業は一般会計事業として、①公園や街路樹の維持管理、、緑のコーディネーター認定事業、緑のリサイクル事業や森林整備保全にかかる市の受託事業、②緑化団体への城西などの啓発活動、都市緑化基金会計、収益事業会計として香椎駐車場等9ヶ所の駐車場の管理業務および公園等での売店経営や自動販売機設置による収益事業となっている。協会から18年度事業計画及び17年度決算について後質疑になった。
公園や街路樹の維持管理のために協会設置が必要なのかということを問い続けている。職員127人のうち市からの出向職員は37名、固有職員27名、市OBの再雇用は66名となっており、出向職員が管理職となっており市組織の一部となっている。加えて、市からの受託事業約41億円のうち約26億円は再委託となっている。特に森林の整備保全は森林組合に市が直接委託すればよく、その他の事業も市が業者に直接委託すればよいことである。これまで、街路樹等の維持管理は市が管理すれば手続きに時間がかかり対応が遅れるとしてきたが、その言い訳自体が問題であり、地方分権化が進む中で変えるべき市の体質の問題である。今年度から指定管理者制度が導入され、公園の管理について協会が指定管理者となったが、公園管理等は市が直営で直接業者に発注すれば済むことであり、協会の存続させる理由はない。要は市職員の再雇用の場としか考えられない。若年労働者の失業率が高い現状を見ると、市OBの再雇用よりも若年労働者の雇用対策を考えるべきと思う。
また、財務構造も問題がある。駐車場や公園での売店経営による収益活動の収益をもって啓発活動等独自事業をしているとしているが、啓発活動等は市の一般会計で賄うべきものであり、協会設立の趣旨からするとこの構造も問題である。また、収益事業会計から一般会計に繰り入れる繰入金によって前年度剰余金を食いつぶしていることから、収益事業の収益と投資する人件費等の経費のバランスがとれているのか疑問である。
昨年の緑化フェアのために都市緑化基金から1億円を取り崩して寄付していること、人工島中央公園の整備として駐車場建設費4億5千万円を都市施設建設資金を取り崩して寄付していることについて、本来の都市緑化に使うべきものを破綻している人工島事業救済に転用していることは問題と指摘した。
福岡市の外郭団体の問題のひとつには、人件費が物件費として表現されることにある。包括外部監査でも指摘されているように、出向職員の賃金は人件費として計上すべきである。福岡市の職員数は政令市で最も少ないという裏に隠れた数字があることは是正しなければいけない。