5月15日(木)、26日(金)
5月臨時議会の議案は
1、老人保健医療特別会計補正予算
これは老人保健医療費の不足分を国が年度内に払ってくれないため、不足分を市が建て替えて充当するものです。後日支払われるとはいえ、国の責任として問題です。議案には賛成しましたが、国に改善を求めるべきと考えます。
2、国の制度改正に伴う福岡市市税条例の改定
この改定で問題な点は、生活保護費の引き下げに伴う個人市民税均等割(年3千円)の課税限度引き下げです。この間所得税の課税限度の引き下げ、定率減税廃止など所得が増えて以内のに負担増え、更に国民健康法保険料の算定基準を所得割に変えたため低所得者ほど負担が増えており、今回の改定は更に低所得者に負担を求めるもので反対しました。
以下反対討論で私の意見を述べます。
反対討論
議案第112号福岡市市税収条例の一部改正案のうち、個人市民税均等割の課税限度額引き下げについて反対討論を行います。今回の個人市民税均等割の改訂により、課税対象者は約300人増えることとなり、今年度の国民健康保険料の算定基準が市民税から所得に変更されたこととあわせて、一段と低所得者層に対する負担増を強いるものです。
これまで、公的年金控除の見直し、老齢者控除の廃止、生計同一妻に対する均等非課税の廃止、定率減税の廃止、個人市民税所得割非課税限度額引き下げとなどこれまでの税制改悪により低所得者に対する課税負担は増えています。さらに介護保険料の負担増に加えて、今年度から国民健康保険料算定基準を所得への変更とあわせ、低所得者ほど負担が大きくなっています。
景気は回復基調にあるといわれていますが、大企業の業績はよくても中小企業の業績は回復している状況ではありません。小泉内閣の新市場主義による「改革」によって、拝金主義の横行と弱肉強食の社会が作られ、格差が広がりました。非正規雇用は増大し、国民の平均所得は下がり、身分が不安定な雇用環境が作られました。修学援助を受ける児童が急増している現状を見ても、市民生活が厳しくなっているのは明らかです。
この間の税制改悪により、法人税の引き下げ、所得税の累進制の引き下げなど、企業や高額所得者が優遇され、低所得者ほど負担が増える、不公正な状況が作られてきました。今回の個人市民税均等割の課税限度額引き下げは、このような状況を是認し、低所得者層にいっそうの負担を求めるものです。生活保護費の支給額の引き下げに連動した措置ということですが、今回の今回の課税限度額引き下げによる対象者は約300人程度、歳入は100万円程度の増であり、市税収の規模からみると微々たるもので、あえて課税限度を引き下げる必要性はないといえます。
市民生活を守るためには、負担増となる低所得層の方に対する負担軽減措置を講ずるとともに、公正な税負担に戻す必要があります。市長は、個人市民税の課税限度を引き上げるとともに、国に対して所得税の課税限度の引き上げ並びに累進制の強化、法人税の引き上げを求めるべきです。
よって今回の個人市民税均等割の非課税限度引き下げに反対します。
次に、固定資産税の特例措置についての意見を述べます。今回の措置は、固定資産税の減額処置を設けることで、住宅の耐震改修促進を図るものです。この制度そのものについては賛成するものですが、耐震改修促進を図るためにはこの措置と併せて、福岡市独自の措置が必要です。
今回の措置により、対処となる昭和50年代の平均的な木造一戸建て、80平米の住宅の固定資産税約1万8千円の2分の1、9千円が3年間減額されることになります。減額の合計は2万7千円、それに耐震改修補助15.2%を併せた額が耐震改修の助成総額となります。耐震改修には1戸あたり170万円から200万円かかるといわれており、耐震改修費用に比べて助成額が少なく、この措置だけでは住宅の耐震改修促進が進むとは考えられません。震災対策特別委員会でも議論がなされてきましたが、国に対して耐震改修助成金の増額を要求するとともに、耐震改修促進を図るための市独自の施策が必要です。
昨年の福岡県西方沖地震により、警固断層による直下型大地震が発生する可能性が高まったと指摘されています。耐震改修は福岡市にとって喫緊の課題です。10年間で住宅の90%を耐震化するとしていますが、実現するためにはハザードマップを基に地域にあわせた市独自の対策が必要です。
地方分権一括法が施行され、税源移譲が始まり、自治体の責任は一段と重くなっています。今求められているのは、オリンピック招致に多額の税金を使うのではなく、税金は市民生活の安心安全のために優先的に使われるべきです。耐震改修促進を進めるために、固定資産税の特例措置に合わせて市独自の実行ある施策を行うことを求めて反対討論を終わります。