都市問題等調査特別委員会

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都市問題等調査特別委員会
2005年1月28日

1、ボランティア・NPO施策についての経過報告
 平成10年に「特定非営利活動促進法」(NPO法)が作成され、現在全国で19,523団体、福岡県で610団体、福岡市で248団体が認証されている。NPO法で定める認証団体の活動は17分野に指定されている。認証されると①法行為の主体になれる、②責任の所在と法律上の位置づけが明確になる、③社会的信用が得やすくなる、が同時に①情報公開をしなければならない、②税法上の課税対象になる、③法に定められた運営をしなければならい、となる。
 福岡市では平成14年10月に「NPO・ボランティア交流センター(愛称:あすみん)」を中央区大名にある青年センター5階に開設。運営は「NPOふくおか」に委託。ここでは、情報収集及び提供、調査・研究、研修・講座の実施、相談、交流の場の提供などを行っている。
 平成16年4月からはNPO法人の活動支援のために「NPO活動支援基金」を設立した。市が基本財産1000万円を出えん、寄付を募り、寄付金の範囲で市に登録しているNPO(現在23団体)から支援の公募を行う。採用は審査委員会が応募したNPOにプレゼンテーションをしてもらい審査する。16年度は寄付金10件、57万円。助成は12団体応募して4団体を補助実施となっている。補助を受けた団体は年度末に公開で発表会をすることにしている。なお、寄付者は寄付先の団体を指名することが出来る。また寄付金は税控除の対象となる。
平成15年度からボランティア・NPOと市との共働のあり方を検討するパートナーシップ事業を開始。パートナーシップ事業として「マンション管理支援機構」設立、「全国緑化フェア福岡市民自主事業」、地域の落書き消しを行う「消しゴム隊」を立ち上げた。

2、外郭団体のあり方についての経過報告
 外郭団体の見直しは、平成16年6月にに策定した行政経営改革プラン及び外郭団体改革実行計画に基づいて進められている。対象は25%以上市が出資している団体である。平成16年6月時点で43団体、平成19年度まで1割削減を目標としている。行政経営改革プランにおける外郭団体に関する改革の概要は、
①事業の必要性の検証・見直し
②外郭団体で事業を行うことの妥当性の検証・見直し
③団体と市との包括的な「協約」制度の導入
④団体運営の透明性の確保
⑤人材の活用・育成
 問題は、市がすべきことと民間がすべきことの仕分けを明確にすることであるが、福岡市においてそのようになっているのか、見直しの状況を見る限りそのようにはなっていない。三セクの問題はもたれ合いの構造にあり、民間の活力を生かすことどころか極めて非効率になっていことに問題がある。本来市がしなくてもよいもの、また株式会社で経営が破綻しているにもかかわらず事業を存続させているなど、改革の視点が不明瞭である。
 具体的には、地下街開発株式会社は事業の主たるものであるテナント運営を民間に外注しているのであれば、福岡市が出資し続ける理由はないし、役員を派遣する理由もない。ところが「抜本的経営改革を検討する」と存続させることになっている。博多港開発は、第2工区を福岡市に譲渡すること自体既に会社の役割は終えており、経営上も市の委託事業で成り立っており、会社として存続させる理由はない。しかし、同じく「抜本的経営改革を検討する」と存続させることにしている。また、サンセルコビル管理株式会社は債権処理の問題があるが、存続させる理由はない。市住宅供給公社についても、住宅販売をする必要性はなく、市営住宅の管理について絞るべきである。もともと職員の大多数は市からの出向であり、公社の存在理由はない。福岡市施設整備公社との統合すべきである。
 その他、博多埠頭株式会社、(財)福岡市交通事業振興会、(財)九州システム情報研究所、(株)博多座、(株)福岡ソフトリサーチパーク、福岡タワー株式会社は民間でやれる事業であり、(財)福岡市海釣り公園管理協会、(財)福岡市下水道資源センター、(財)福岡市水道サービス公社、(株)福岡クリーンエナジーなどは市が直営で行うべき事業である。
 土地開発公社についても地価が下がり続ける中で、公共用地の先行取得する必要性がなくなっており、存在理由はなくなっている。いずれにしても、第三者による客観的な評価が必要であるが、そのような仕組みがない。身内同士の評価が甘いことは一昨年福岡市が監査法人に依頼した報告書でも明らかになっている。
 また指定管理者の導入についても、政策的な整合性がないこと、市が責任持つべきことと及び政策上行うことと、単なる施設管理として指定管理者を導入することとの仕分けが明確ではなく、各局毎の判断となっていることも問題である。
 今回は経過報告ということであったが、私は第三者による客観的評価に基づき、市がすべきことと民間がすべきことを精査し、整理すべきことを求めた。