決算特別委員会14日(木)、15日(金)
分科会:第4委員会所管、都市整備局15年度決算審査。
1、サンセルコについて
昨年につづきサンセルコのその後について質問した。03年度もサンセルコビル管理に460万円の振興対策費として補助金が給付されている。補助金の理由は空き家対策やテナント募集等経費が必要と言うことである。経常利益は200万円程度で、補助金がなければ運営できないという。サンセルコの現状は141の店舗の内現在39の店舗が空き店舗となっている。この間、空き店舗は30台で推移しており、状況は改善されていない。 関連して、市街地再開発事業の歳入の内、歳入欠損額7860万円余、歳入未収額2億2920万円余があり、これはサンセルコの共益費及び保留床代金の未払いである。歳入欠損は担保で差し押さえた保有床を競売にかけたが、請求額に満たず不足となっていた7件分である。請求し続けていたが10年の時効を迎え欠損処理をした。歳入未収は9件、①抵当権を実行して床を競売したが、落札金が滞納額に足りず、債務が残っているもの2件、997万円、②競売にかけたが競売不能となったもの2件、5,558万円、③所在不明2件、6,117万円、④破産手続き中の法人1件、4,474万円、⑤現在もサンセルコで営業し、支払いについて協議中のもの2件、4,778万円となっている。このままでは未収金もいずれ欠損処理をせざる終えなくなる。
もはやサンセルコの事業は破綻しており、このままでは自然消滅するしかなくなる。抜本的な再建策が必要である。そこで、先日の「天神に路面電車を走らせる」という民間の天神地区活性化案の報道について質問した。都市整備局はまだ実態は知らないと答えた。サンセルコを抜本的に改革するためには、店舗が区分所有になっていることが大きな障害になっているが、区分所有を整理して一体的な再建策がとられなければ難しい。さらに、渡辺通1,3丁目再開発と新都心計画とサンセルコの再建を、博多駅と天神、呉服町とサンセルコを結ぶ面として取り組むことを提案した。それを繋ぐものとして路面電車の検討を要望した。
総務企画局では新都心計画を検討しているが、一方都市整備局でも交通マネージメントの調査をしてる。本来この二つの事業は重なるべきことであり、渡辺通1・3丁目再開発も連携したものでなければならない。ところが、都市整備局の交通マネージメント調査は渋滞解消を検討するもので、中長期的な視野での都市計画ではない。総務企画強と都市整備局は協議していると答えているが、実際はバラバラの縦割り行政を超え切れていない。このことが財政的無駄の原因でもある。
2、野芥地域交流センターについて
地域交流センターの進捗状況について尋ねた。都市整備局は10月4日(月)の交通問題調査特別委員会で、地下鉄3号線開通にともなう野芥地区のまちづくりとして、野芥交差点南西部を地域交流センターの候補地として示している。地下鉄駅もあるので第1の候補地としているとのことである。現在、市民局が中心に関係局、早良区と協議しているが規模や施設内容が定まっていないので進んでいないと答えた。どの程度の規模を想定しているかとの質問に、JR新宮駅のコミセンわじろ程度を想定していること、建物については民間建設による複合施設の中に賃貸するとしていると答えた。具体的には1階に商店が入り、2回以降にセンターが入居、その上に住宅と言うことが考えられるとしている。地権者と交渉しているが、民間が建設するには採算がとれるか否かが大きな問題であり、現状では採算の問題で積極的ではないが、外環状線が梅林方面に繋がったことで関心を持つ事業者も出始めているということである。当初はグルメシティを建て替えてもらって、そこに入居するということで地権者と交渉していたが、地権者に断れ今回の場所となったようである。民間に建設してもらうためにも早めにセンターの構想を示す必要があるのではないかと、早めに計画をつくり建設を進めるように求めた。
3,都市緑化について
地下鉄3号線整備にともない、薬院駅周辺の街路樹が撤去されることになっている。住民我が街路樹撤去について異議を唱えており、総会質疑でも質疑がなされた。緑地を増やすという市の方針に反するのではないかという質問に、道路構造例の改正により、道路幅が規定に満たずに街路樹は植えられないと回答。しかし、都市緑化の視点から樹種については従前のクロガネモチは難しいが他の樹種の木を植えることを検討すると回答。この質疑に関連し、薬院から動物園に繋がる道の街路樹について、土木局は全て伐採するとしていることに、緑化の視点から問ではと指摘があった。各局での緑化については、都市整備局がイニシアチブを取って緑化を進めべきではないかという質問に、都市整備局は関係各局との調整の場を持っていると答えた。この質問に関連して、私から来年度からは各局で予算を組むことになるため、局での政策の優先受遺が異なり、緑化のための予算が付かないこともあり得るのではないかと質問。重点事業について、局をまたがった予算決定の仕組みが必要ではないという私の質問に、現実には難しく、緑化の必要性の認識を持ってもらうしかないと答えるにとどまった。総合調整の仕組みが出来なければ、総論賛成、各論反対となり、言っていることとやっていることが違うということになりかねないと指摘した。