9月議会で、博多港開発救済のために家も建っていない、子どもいないところに小中学校を造る議案が可決しました。厳しい財政状況の中で、46億円もの税金が使われます。なぜ、どうして、誰もが疑問を持つところです。18日の集会参加者で議会へ抗議と教育委員会へ申し入れをしました。
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平成16年9月29日
小中一貫校建設のための補正予算成立への抗議
福岡市議会議長
川上義之 殿
市民集会「これでいいのか!人工島直轄化」
実行委員長 脇義重、 参加者一同
福岡市議会は9月16日、人工島への小中一貫校建設のための補正予算を賛成
多数で承認した。市の将来に禍根を残し、市議会議員の多くも疑問を抱いてい
たこの議案が可決されたことに対し、私たちは深く失望するとともに市議会の
責任を放棄するにも等しい行為として強く抗議する。
人工島の小中一貫校建設には次のような疑問があり市議会でも指摘されてい
た。
1)小中一貫校を何のために建設するのか、教育の理念がまったく見えない。
2)開校が予定されている平成19年度の人工島の住宅販売予定戸数は620戸に
すぎず、小中学校の新設が必要とされる数ではない。それに計画通りに住宅が
売れ、小中学校の対象となる児童をもつ世帯が入居する保証はまったくない。
3)島外から生徒を募ろうとしても、理念のない学校、便利の悪い学校には生徒は
集まらない。
4)用地の購入単価115,000円/m2という水準は、隣接する住宅用地の平均単価
約7万円/m2よりもはるかに高く、適正ではない。
このように、何一つとして学校建設を認めるべき理由がなく、この学校建設
は次のような点において市の将来に禍根を残すことになる。
1)必要とされない学校に用地取得費だけで46億円もの税金が使われることは
いっそうの財政悪化をもたらすとともに、緊急を要する教育上の課題(大規模校の分離など)が先送りされることになる。
2)予定された生徒数が集まらなければ、きわめて非効率な学校運営となり、恒常的に財政負担を増すことはもちろんのこと、教育上もよい効果を期待できない。
これだけの問題があるにもかかわらず、何故市議会はこの議案を可決したのか?
博多港開発㈱は、この9月にも借入金の返済期限が迫っており、埋立地の分譲行き詰まりから資金繰りに窮するといわれている。福岡市が同社の救済のために、教育にかかわる大切な問題を議会への事前の相談もなく突然補正予算に計上したことは明らかである。
博多港開発㈱の一時的な救済のために、市の将来にかかわる大切な議案をわず
か3日間の審議で可決するとは本末転倒もはなはだしいと言わなければならな
い。人工島事業に関し、市の言うがままに振り回される市議会の姿を見ている
と、その存在意義はどこにあるのかと思わざるを得ない。
私たちは、市議会に対し、小中一貫校の補正予算可決に抗議するとともに、今
後姿勢を正して市民の代表としての職務を全うされることを求める。
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平成16年9月29日
小中一貫校承認に関する公開質問状
福岡市教育委員会
委員長 飯野 毅紀 様
人工島点検を点検する会 代表 荒木 龍昇
博多湾市民の会 代表 安東 毅
博多湾会議 事務局長 脇 義重
9月16日、福岡市議会で人工島に小中一貫校を作るために補正予算を組む議案が
可決されました。
人工島への小中一貫校の建設は、理不尽なことばかりであり、与党議員の間からさ
え疑問の声が上がっていました。ここに改めて小中一貫校の人工島への建設について
の問題点を列挙します。
1) 小中一貫校を何のために建設するのか、教育の理念がまったく見えない。
2) 開校が予定されている平成19年度の人工島の住宅販売予定戸数は620戸に
すぎず、小中学校の新設が必要とされる数ではない。それに計画通りに住宅が売れ、
児童をもつ家庭が入居する保証はまったくない。
3) 島外から生徒を募ろうとしても、理念のない学校、便利の悪い学校には生徒は
集まらない。
4) 用地の購入単価115,000円/m2という水準は、隣接する住宅用地の単価
約7万円/m2よりもはるかに高く、適正ではない。
5) 必要とされない学校に用地取得費だけで46億円もの税金が使われること
はいっそうの財政悪化をもたらすとともに、緊急を要する教育上の課題(大規模校の分離など)が先送りされることになる。
6) 予定された生徒数が集まらなければ、きわめて非効率な学校運営となり、財政上はもちろんのこと、教育上もよい効果を期待できない。
7) 教育上の重要問題が議会に事前の相談もなく補正予算に突然上程された。
このような問題に対する市議会の疑問は、「教育委員会が小中一貫校の必要性を認めた」、「教育委員会の意見に基づいて用地取得費を9月補正予算への計上が必要と考えた」との第一委員会での山崎財政局長の答弁があり、それ以上追求されることはありませんでした。
教育委員会は何故人工島への小中一貫校の建設、それも早期の建設を認めたので
しょうか?ことは、市の財政にとどまらず、国の当面する重要な課題のひとつである
教育にかかわる重大問題です。人工島や博多港開発㈱の資金繰りの都合に引きずられ
て判断されるべき問題ではありません。
そこで以下の疑問に対し、教育委員会の考えを、公の場で、あるいは文書を持って
回答していただくようお願いいたします。予算執行までに時間が余り残されていません。恐縮ですが10月12日までに下記宛に回答していただくようお願い致します。
1) 教育の理念がまったく見えないにもかかわらず、なぜ福岡市による
小中一貫校の建設を認めたのですか?
2) 開校予定とされる平成19年度の人工島での住宅販売予定戸数は620戸
とされています。対象児童数見込みは小学生は188人、中学生は68人に
過ぎず、学校をとりわけ中学校を新設しなければならない数とは考えられま
せん。また、この数値はあくまで見込みに過ぎず、実際にこれだけの児童が
人工島に居住するかどうかさえ危ぶまれます。しかも便利の悪い人工島に市
全域から生徒が集まるでしょうか?
このような極めて不透明な見通しの中で、なぜ性急に小中一貫校の建設を
認めたのですか?
3) 福岡市には、大規模小中校の分離など緊急に解決しなければならない教育
問題がほかにもあると聞いています。財政状態の厳しい中で、そのような問
題を差し置いて何故人工島に小中一貫校を建設しなければならないのですか?
4) 仮に小中学校が必要だとしても、平成19年度開校予定の学校の用地取得費を、議会での十分な審議を犠牲にしてまでも9月の補正予算に計上する必要があるのでしょうか?