去る2月議会初日に人事案件として、桑原市長を名誉市民に選定する議案が出された。この議案について、私と共産党が反対討論をした。討論の後に採決をしたが、反対したものは私と共産党の7名だけであった。これが市民の意思なのか。前回の市長選挙でも市民は人工島はNO!であった。いまの福岡市の財政、環境、相次ぐ不祥事を見れば、その基をなした桑原前市長を名誉市民にする理由はない。
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反対討論
前市長である桑原敬一氏を福岡市名誉市民に選定することに反対して、討論します。
桑原敬一氏は、市長時代福岡市においてバブル期の風に乗り、箱もの行政を推し進め、今日の福岡市財政悪化のもとを作りました。元気がいい福岡市ともてはやされましたが、その内実は数多くの公共工事を次々と推し進め、環境破壊と市民に多額の借金を残したのです。その典型がいままさに破綻が明らかとなりつつある人工島計画です。
桑原氏は「ローマクラブ会議」を福岡市で開催しましたが、本当に会議の意味を理解していたのでしょうか。ローマクラブは1972年にメドーズ博士らにより「成長の限界」を世に出し、経済成長主義が地球環境を破壊し始めていることを警告しました。そして、1992年、福岡市で「ローマクラブ」が開催された年に、メドーズ博士らは「限界を超えて」を発表し、人類は既に地球環境および資源・エネルギーの限界を超えつつあると警告し、維持可能な社会に向けて経済成長主義を改めるよう提言しています。このような流れとは逆に、桑原氏はこの年を環境年として「環境の創造」をキーワードに開発行政を推し進め、博多湾の自然を破壊し、さまざまな環境を悪化させ、市民に多額の借金を残すことになりました。
都市膨張政策遂行のために数多くの第三セクターを作り今日そのツケが回されていること、海水淡水化事業、ごみ政策など政策的な過ちがあり、これらを見たとき名誉市民に値するとは考えられません。
また、自民党パーティ券を始め、木山総務企画局長贈収賄事件、浜田副議長贈収賄事件、ケヤキ庭石事件、そして港湾局前課長による贈収賄事件と大型公共事業に絡む不祥事が今日も後を絶ちません。不祥事件は桑原氏の直接の責任とはいえませんが、都市膨張政策にその温床があったと思われます。
すべてを否定するわけではありませんが、すべてを賞賛することも出来ません。市民に対してどのような貢献をしたのかを考えるとき、名誉市民に選定することは出来ません。
よって、この議案に反対します。