人工島と市の福祉行政

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 一昨日、最高裁は学資保険訴訟で、福岡市の上告を棄却しました。福岡市の保護行政が批判されたのです。生活保護家庭で、子どもの進学のために生活費を切りつめて学資保険を積み立ててきたことについて、福岡市は保険金は収入と見なし生活保護費を大幅に削減しました。教育を受ける権利は基本的人権であり、生活の一部であるにもかかわらず、このように生活保護費を削減することに血道を上げているのが福岡市の現状です。
 生活保護家庭で、生活を切りつめて子どの進学に備えてきた行為を認めようとしなかった福岡市の姿勢は、これだけではありません。国民健康保険でも、未納者は直ちに保険証が取り上げられます。保育園、児童館、特別養護老人ホームなど、市民に必要なことにはお金をかけず、どうして人工島に税金をつぎ込み続けるのでしょうか。人に優しい都市と言えるでしょうか。
 ではその対極にある人工島事業はどうでしょうか。市民が必要と本当に臨んでいる事業でしょうか。破綻した博多港開発に87億円の緊急貸付行う、しかもその返済資金は福岡市が人工島の土地を買うことで賄われます。これまでも人工島に計画外の公園を建設し、土地購入費126億円と整備費65億円、計191億円を支出しました。道路買収に30億円、道路整備に120億円が使われています。さらに、来年には緑化フェアを人工島で開催するために42億円使われます。今後、地下鉄を人工島につなぐ計画があります。この事業費は500億円といわれています。人工島破綻の穴埋めに子ども病院を人工島に移転させる計画も進められています。この事業費も500億円は超えると言われています。博多港開発救済のために、第2工区を市が直轄事業にすれば、さらに900億円のお金が必要となります。
 福岡市の財政は極めて厳し状況です。国もお金がなく、国民の借金は700兆円を超えています。国は「三位一体の改革」と称して、地方へそのしわ寄せを始めました。地方分権一括法施行され、自治体の責任は益々重くなっています。どんなまちにするのか、市民、議会、行政のあり方が問われています。無駄な公共事業にこれ以上税金を使うことはやめさせなければなりません。人に優しい福岡市に変えるために、人工島は中止させましょう。!