金融庁に申し入れ

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 福岡シティ銀行には金再生法により700億円の公的資金が投入されています。公的資金が投入されている銀行が破綻した事業に融資することは法の趣旨に反する上、税金の無駄遣いを助長することになり、国民として許せるものではありません。私たちは、金融庁(福岡財務支局)に人工島への融資をやめるようシティ銀行を指導することを求めて、申し入れをすることにしました。ところが、金融庁(福岡財務支局)は申し入れを受け問うことは銀行や福岡市に対する影響が多きとして、受け取りを拒否しています。そこで、私たちは申し入れを郵送することにしました。

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                              2004年2月12日
金融庁(福岡財務支局)御中

人工島点検を点検する会
                    事務局長 中尾武史
                    博多湾の豊かな自然を未来に伝える会 
代表 安藤 毅
                    博多湾会議
                    事務局長 脇 義重
福岡市議会議員
                    荒木龍昇

 福岡シティ銀行は金融再生法により、700億円の公費が投入されています。金融健全化が求められている銀行が、破綻が懸念される人工島事業に融資することは、法の趣旨に反すると考えます。福岡シティ銀行に対して、人工島事業への融資をやめるよう、監督庁として指導して頂くことを求めるものです。
 平成12年の包括外部監査においても、人工島事業は土地処分が進まないリスク、貨物が予測通り増えないリスク、金利上昇のリスクがあげられ、事業評価の必要性が指摘されました。また、昨年福岡市の依頼により中央青山監査法人は福岡市外郭団体経営評価を行い、博多港開発(株)についても報告されています。この「福岡市外郭団体経営評価に関する報告書」によれば、「地価上昇がなければ、将来の会計期間において大幅な損失となる可能性がある。」「計画通りに販売できなければ、今後さらに資金不足する可能性もある。」「今後の事業見通しは予断を許さない状況にある。」など指摘しています。今年1月23日に博多港開発が埋立免許を継続するために提出した「竣工期間伸長許可申請書」の事業収支計画を見ても、博多港開発(株)の事業見通しが極めて厳しく、さらに公費を投入しなければいけない状況となっています。今や、公費(市の税金)を投入しなければ事業が続けられない、民間企業としては破綻以外の何ものでもありません。
 2年前、新生銀行、鹿児島銀行、あおぞら銀行が博多港開発への融資をやめました。福岡銀行を始め11銀行は、福岡市に計画変更を求め、福岡市は全面的に博多港開発に税金をつぎ込む計画に変更しました。銀行は、これまで土地が売れたときに融資を返済すればよかった契約を、土地が売れなくても期日が来れば返済しなければならない約定返済に契約を変えています。言い換えれば、予定の価格で予定の時期に売れなければ、博多港開発はたちまち資金繰りに行き詰まります。そこで銀行は博多港開発(株)が資金繰りに行き詰まったときには、福岡市が融資するように200億円の融資枠を創らせています。
 そして、昨年五月、博多港開発(株)は予定の価格で土地処分が出来なかったために、52億円の資金不足に陥り、福岡市に45億円の緊急融資を求め、福岡市は200億円の融資枠から45億円の緊急融資をしました。この融資の返済は、福岡市が新たに人工島内に市道を認定し、道路用地買収の資金で返済されます。
 今年1月23日に博多港開発(株)が第2工区の埋立を継続するために提出した「竣工期間伸長許可申請書」の添付書類では、収支計画は余裕がないものとなっていおり、たちまち資金がショートすると思われます。加えて、第1工区の住宅地の価格をさらに引き下げて売る計画をつくっています。昨年の「照葉プロジェクト」の失敗により、開発業者は予定価格をさらに4~5万円も引き下げた価格で購入するともいわれています。このような状況をふまえ、福岡市は今年も博多港開発へ40億円の緊急融資を行う計画を進めています。この融資も、福岡市が人工島の道路用地を購入した資金によって返済されます。
 また、博多港開発は昨年の決算は経常利益で9億円の黒字となっています。ところが、博多港開発(株)の売り上げの約85%は、福岡市による人工島の土地買い上げによるものです。残りの15%の内ほとんどは福岡市の受託事業によるもので、まさに税金によって支えられているのです。既に民間の事業としては成り立っていないのです。
 このように、人工島事業の破綻は明らかであり、公的資金を投入された福岡シティ銀行が、博多港開発(株)に融資し続けることは、金融機関の健全化による経済の安定化という金融再生法の趣旨に反します。融資することで、破綻した事業が継続され、税金の無駄遣いを助長することになります。地価下落は続いており土地需要が増えるとは考えられない状況で、人工島事業は今後巨額の負債を生み出すことになりかねません。全国各地で第三セクターの特別調停が行われているように、福岡市および銀行団は債権放棄ということも考えられなくはありません。福岡市の財政悪化をさらに進め、銀行も大きなダメージを受けることになります。
 公的資金が投入されている銀行が、このような事業に融資を続けることが許されるのでしょうか。法の趣旨、そして道義的にもこのような融資はやめなければなりません。私たちは、金融庁が監督庁の責任として、国民の負託に応えるべく、福岡シティ銀行に博多港開発(株)への融資をやめるよう指導して頂くことを求めます。
 
同封文書 1、中央青山監査法人による経営評価(博多港開発株式会社の部分)
     2、博多港開発株式会社 「竣工期間伸長許可申請書」および添付書類