佐賀空港視察

Pocket

佐賀空港視察報告

日時:2003年11月28日(金) 8:40~15:00

 新福岡空港ストップ連絡会で、佐賀空港の視察に行った。佐賀大和インターチェンジから佐賀市内を通過し、一路空港へ向かった。佐賀市内を過ぎ、川副町にはいると干拓された農地が広がり、農地の中を一直線に道路は続いていた。遙か先に見える空港の管制塔を目標に車を飛ばした。片側1車線であるが道幅は余裕があり、道路沿い歩道と並木道が整備されていた。車は2台が前を走っているだけであった。路面はスリップの後がたくさんあり、聞くところによると暴走族の練習場ということだ。
 市街地を過ぎて約20分ほど、佐賀空港に10時40分ころに到着。大阪行きが飛び立った直後であった。空港の駐車場は形式的に入場を規制するバーがあったが、駐車料金は無料である。第1駐車場はざっと100台ほどに広さであったが、ほぼ満車の状態であった。駐車場と空港ターミナルの間にボタン式の横断歩道はあるが、ボタンを押す必要はない。タクシーは2台待機していたが、乗降客もない。
 ターミナル内は1階にANAのカウンターに職員2名、インフォメーションコーナーに一人、佐賀の特産物店が出ていたが店員は一人、お客は私たち9名を除けば4,5人であった。2階は土産店が5軒ほどあったが客はいない。レストランも客はいなかった。空港内は経費節減のため、エスカレーターは止まっていた。
 有料展望台に上がり、空港を一望した。空港では待機にの飛行機はなく、崇城大学のヘリコプターが離発着訓練をしていた。そのほかセスナ機が2機訓練していた。12時頃にレストランで食事をした。客は、空港関係者4人、私たち9人、後から2名が食事にきただけで閑散としていた。12時20分に大阪便が到着、迎えの人が4,5人みえ、ようやくターミナルは活気が出てきた。観光客が2組30人ほどが降りてきた。なぜ2組とわかったかというとマイクロバス2台が迎えにきていたからである。
 佐賀空港は今年から名古屋便1便が廃止となり、東京2便、大阪2便、計4便、1日の乗降客は800人、チャーター便がある日で1000人という状況である。利用者は定期便が30万人で頭打ち、チャーター便も当初58便あったが毎年減り続け、昨年は25便、今年は10月までで12便と激減している。需要予測では平成12年は73万人、平成17年は140万人となっている。定期便とチャーター便併せても平成11年の34万人をピークに微減している。いかに過大な計画がわかる。貨物も開港当初の平成10年は3900トンあったが翌平成11年からは700トン前後となとなっている。需要予測では平成12年以降は6000トンとなっている。
 収支はどうだろうか。建設費は当初直轄工事を除いて175億円、最終的には直轄工事を除いて251億円という。第3種空港であるため、県が建設運営する。収入は着陸量・土地使用料併せて平成14年度で77億円、開港した平成10年度は101億円から毎年減り続けている。歳出は平成14年度で387億円、開港した平成10年が450億円、翌年平成11年404億円から頭打ちとなっている。収支が全く均衡していないばかりか、県は着陸量は国の基準の3分の1、駐機量も2500間円補助、加えて周辺市町は様々な補助金を出している。川副町の例を見よう。川副町は関西、関東在住川副町人会所属の利用者には東京発で5000円、大阪発で3000円、川副町在住の5人以上の団体旅行者には東京行き5000円、大阪行き3000円の補助金を出している。
 以上のように、佐賀空港は、過大な需要予測、補助金のばらまき、税金の無駄遣い以外の何ものでもなく、必要性が全く見えない空港である。今回の佐賀空港視察は、需要予測なるものがいかなるものであるのかを私たちに示してくれた。