第4委員会
日時 2003年9月2日(火) 10:00~12:15
場所 第4委員会室
1)福岡市住宅供給公社の事業報告
福岡市住宅公社のへいせい14年度事業報告がなされた後質疑が行われた。住宅供給公社についいては、全国的に赤字や債務超過に陥っているところが増えており、事業の見直しが課題となっている。原価主義を原則としているため、地価の下落にともない住宅販売事業は赤字となっているところが多く、住宅販売事業から撤退し賃貸事業の管理に特化するよう国の考えも示されている。北海道のように住宅供給公社を解散した自治体もあり、三重県のように受託供給公社が住宅販売をやめたところも出ている。福岡市でも平成11年度の住宅供給公社を対象とした包括外部監査でも、原価主義による赤字の問題や当初の積み立て分譲などはなされなくなっており、住宅販売をする理由がなくなっていることが指摘されている。
私はまず、レイクヒルズ野多目の分譲についての質問をした。平成14年度の住宅販売は新規7戸、継続(売れ残り)167戸を募集し64戸が契約となっている。売れ残りは110戸、この売れ残りについて、西福岡マリナタウンウエーブコースト8番館32戸、レイクヒルズのため(1,8,9番館)69戸は3割ほど値下げして販売、リーフタウン下原台(戸建て住宅、2,3,4,6期)33戸は定期借地権付(地代を賃貸として家だけを売る)で売り出した。8月現在、ウエブコースト6戸、レイクヒルズ野多目33戸が売れ残っている。値下げによる損失は、ウエーブコーストで約2億円、レイクヒルズ野多目で約5億円となっている。値下げや、定期借地権付にしなければ売れない、なをかつ売れ残っている現状を見ても、住宅供給公社が住宅販売をする理由はない。
また、14年度決算では、住宅販売による欠損により基金から5億5千万円を取り崩している。決算は6300万円の赤字となっているが、実質6億円強の赤字である。15年度も基金から7億円ほどの取り崩しが必要となっており、市は基金34億円、累積剰余17億円計52億円有るのですぐには債務超過にならないといっている。しかし、毎年販売家損による取り崩しをしなければならない状況が想定され、近い将来債務超過に陥る可能性は高い。黒子議員のレイクヒルズ野多目の残りの事業についてどうするのかという質問に、赤字が出ない販売価格を考えると答えている。売れに住宅をこれ以上造ることはやめるべきだ。
私は、もはや住宅供給公社が住宅販売する必要はなく、住宅販売事業を辞めるように求めた。市は、住宅供給は量から質の時代になっており、民間にできな質の高い住宅を供給する役割があると答えた。この答弁は全く理由にならない。高齢者住宅への補助制度など、何も住宅供給公社が直接住宅販売をしなくても補助制度で質が高い住宅は確保できる。私は繰り返し住宅事業をやる理由がないことを主張した。
さらに問題なのは、住宅供給公社が人工島の住宅地を購入していることである。私の質問に答えて、人工島の土地購入資金は全額銀行からの借り入れであり、福岡市が150億円の損失補償をしているというのである。銀行はもはや人工島事業は見通しが立たないと判断しており、福岡市が担保しなければお金は貸さないと言うことである。販売見通しもない、そもそも住宅をつらなければいけない理由がないにもかかわらず人工島の土地をどうして購入するのか、しかも購入資金は事実上市民の税金によって購入されている。倉持議員がどうして人工島に住宅を造るのかと言う質問に、市は21世紀のモデル都市をつく必要があると答えている。しかし、仮にモデルを造ってもどのように市内の居住地区に広めるのか、どうしていまある住宅地でモデル都市ができないのかその合理的理由は全くない。市営住宅の空き家募集では926戸の募集に18087人の応募があり、競争率は19.53倍となっている。人工島に無駄な投資をするよりも、良質な公的賃貸住宅が求められているのである。私はそもそも住宅供給公社は必要ないと考えている。住宅供給公社が必要とされるとするならば、良質な市営住宅を建設し、キチンと管理することしかない。
その他、人工島のモデル都市構想に絡んで町世話人制度廃止後の街づくりついてや住宅管理における市と住宅供給公社の協議状況の報告を求める意見が出され、審査は終わった。
2)7/19災害に対する建築局報告(議員協議会)
建築局から、7/19災害における市営住宅関係の報告と、被災者の市営住宅への斡旋状況について報告があった。市営住宅関係の被害は住宅7戸、集会所1カ所、店舗11カ所が床上浸水、被害総額390万円であった。被災者の市営住宅入居の相談は44件、33件が市営住宅に入居、8件が民間住宅へ入居、3件が保留となっている。また、早良区からの要請で、建築局から被害状況の判定の技術的支援のために職員を派遣したと報告があった。