第4委員会
日時 8月6日(水) 10:00~11:30
場所 第4委員会室
議案 「御島崎海岸丘陵地原生林の保全について」の請願審査
代表者の口頭陳述の後、市から請願に対する基本方針が述べられた。
市の基本方針として、当該地は「福岡市民有緑地保全基本計画」において保全すべき樹林と位置づけており、地権者と協議していたが承諾を得られていない。今後とも緑地保全地区や都市緑地制度を活用し、交渉をする。
この後、審議に入った。御島崎の当該緑地は平成10年から交渉しているが、地権者がこの土地を担保に事業を行っているため、市に買い取りを求めている。近くにある緑地は同じ地権者から平成12年、13年に分けて購入した経緯がある。平成14年5月に緑地保全地区の申し入れを文書で出したが、突然平成14年11月に0.8ヘクタールをマンション業者に売った。残り4.4ヘクタールの内、1.5ヘクタールは至急買って欲しい意向があるが、2.9ヘクタールは長期的に話ができそうであるという。財政上の問題で買い取りのはなしを進めなっかったために0.8ヘクタールが売られ、残りも1.5ヘクタールが売られようとしている。委員会では、人工島のような無駄使いをやめて、緑地保全にお金を使うべきという意見も出され、私も緊急な状況にあり買い取りの話しを進めるべきと主張した。委員全体は買い取りを含めて早急に対処すべきという雰囲気であり、全会一致で請願は採択された。
福岡市は「緑の基本計画」をつくり、平成22年には緑被率を60%にすると言っているが、緑地は増えず目標が達する状況にはない。福岡市の緑地は保全系緑地は84%、創る緑は16%ととなっており、保全すべき緑地の60%は民有地となっている。「福岡市民有緑地保全基本計画」では500㎡以上の民有地300カ所をランク付けして順次緑地に指定している。面積、規模、動植物の生息状況、開発の圧力等を評価し、緊急に指定すべき地域、将来保全すべき地位などにランクをつけている。緑地保全地区や都市緑地を指定するにあたり、該当区域の固定資産税や都市計画税を減額するなどのメリットを説明し指定している。また、緊急を要するところは購入をしている。今回の御島崎地区はBランクとしており、保全が急がれる地域であると市は言っている。
福岡市は基本計画でも緑地の保全を掲げているが、有効な手段はない。地権者を説得する以外には開発をやめさせる手だてがない。このままでは都市に残された貴重な緑地が、手をこまねいている内に次々とはかされることは目に見えている。現に至るところで小規模開発が進み、緑地は減っている。私はもっと強力な法の網をかぶせるべきと主張した。現状では、計画は希望でしかなく実行あるものにはならない。新たな条例を作り、強力に緑地保全を進めるべきである。当然地権者に対する補償が必要であり、財政的な基盤も明確にしなければならない。人工島に税金の無駄遣いをするよりも、緑地保全にお金を使うべきである。因みに人工島の土地を売るために開催される緑化フェアーは45億円、今回請願が出された御島崎海岸丘陵原生林4.4ヘクタールの見込み買収価格は40億円程度。市民にとってどちらが求められているのか。
財政的な問題もあり、地域住民とともに緑地保全ができる方策を研究するべきという意見が出された。しかし、法的根拠がなければ地権者の都合で土地は処分されてしまう。法的整備と財源基盤を明確にすることが先と考える。無駄遣いをなくし、将来の世代に預かっている自然環境を届けることができるように真剣に考えなければならない。